レバノン共和国を語る際には、現在では、近年の事件をきっかけに状況は好転しているものの、その政治の混乱の歴史について言及しないわけにはいきません。1975年から90年にかけ10年以上に続いた内乱が起きる前までは、レバノン経済は、首都ベイルートの自由貿易港を中心に、中東の金融と商業の中心として繁栄していました。1991年、経済は復興に転じます。金融及び食品加工業、織物業、化学産業などが飛躍的に成長しました。外貨準備高も、在外就労レバノン人からの送金により増加しました。2004年、レバノンからのシリア軍の撤退を求める国連決議が採択されました。さらに、2005年2月14日、車に仕掛けられた爆弾によるテロにより、当時のハリーリー首相が暗殺されると、レバノン市民による、のちに’杉の革命’ と呼ばれる反シリア抗議運動が盛んになります。これによりオマール・カラミOmar Karami首相を首班とするシリア寄りの政権が退陣することとなりました。
レバノンの政情不安と対照的に、その歴史と文化が織りなす史跡の美しさは揺らぐことはありません。レバノンの多様な宗教、社会的の融合による豊かな文化はもちろんのこと、古代ローマの遺跡が残る古都への旅、スキーリゾート、イスラム建築見学と、多岐に渡った楽しみがあります。